あなたは●●から何を学んだの?

 もうこの言葉が最近、愉快かつ不愉快でしかない。
「●●さんはHIPHOPから何を学んだんですか!?ポジティブです。ポジティブ!」
私がネガティブ思考に陥って1人ダメ出し会をしていると、同僚が必ず掛けてくれる言葉だ。


毎回毎回思うのだが、私はHIPHOP原理主義者ではない。
決め付けて言ってほしくないものだ。


だが、この言葉の薄っぺらさに毎回爆笑してしまう。
彼はこの言葉の薄っぺらさを分かっていて言っているのか…
それとも、分かっていないからこそ言ってしまうのか。


このフレーズのすごさは…テキトーに何でも当てはまってしまうことだ。
「ロカビリーから何を学んだんですか!?ポジティブです。ポジティブ!」
「うなぎ犬から何を学んだんですか!?ポジティブです。ポジティブ!」
イ・パクサから何を学んだんですか!?ポジティブです。ポジティブ!」


ああ。心なんて一つも篭っていないさ。きっと。
まあ、普段の会話で「マイメン」「バイブス」「●●さんのシット」なんて普通に出てきちゃう人だからな。
私が思うにちょいと恥ずかしい人間だと思う…ごめんなさい。言葉で補おうとする人は単なるワナビーでしかないケースが多々あるので…。


ただ、最近とてもいいお言葉を頂いた。
「やっぱりFUNK。泣きたくなったらSOUL。」
メロイックサインが背景いっぱいに書かれた殴り書きのメモが私のデスクの上に置いてあった。ああ、ジョージ・クリントンだね。
これまでになく落ち込んだ次の日、出社一番にこのメモを見つけた時はなんだか泣きそうになってしまった。


前夜にベロベロに酔っ払ってオフィスに帰ってきて、なぜか殴り書きしたんだと。
でも、彼の言葉だけで泣きそうになったわけではない。
その横に女子大生のバイトの子のメッセージが入っていたからこそ泣きそうになった。
彼:女子大生=2.5:7.5ぐらいの割合の涙だ。
いたいけな女子から貰うメッセージはなんてありがたいものか。
まだ生きていてもいいなと思える程のエネルギーがある。なんだろね?アレ。


やっぱり普段軽い、思慮深さに掛けたフォローしかできない人はそれまでなんだろうな…。
どんなにいい言葉を頂いても、女子大生の何気ない一言に負けてしまう。


せめて、女子大生が書くドラえもんの絵に勝てる発言をできるようにしたい。
きっと無理だろうけど心がける。うん。