やらなきゃいけないこと

 とてもクサイことを言ってしまおう。


 親友が今、戦っている。
幸せの形に正解は無い。
だけど、どうやら世の中は形だけにこだわる傾向が強いらしい。
形だけにこだわって、蓋を開ければ崩壊寸前なんてざらにあるのかもしれない。
うちの家庭にだってあったのだから。
形にこだわらなければ、幸せは案外近くに転がっている。
決して、プライドを捨てたり、生活レベルを落とせとか言っているのではない。
ちょっと頭を柔軟にして、最善の結果のために試行錯誤するぐらいしてもいいってこと。
それを知ってから、私は気が楽になった。
母は「今の新しい生活を家族ごっこみたいに感じてるんじゃない?気を使わなくていいよ?」って、言ってくる。
そりゃ、端から見ればそうかもしれない。
でも、私は幸せだ。
実父でもなければ、二人目の父でもない。
だけど、彼は私と母のために最善を尽くしてくれる。
血の繋がった身内にはこんなに心の広い頼れる者はいない。父ではないが、私は彼を家族だと信じている。
 親友は「空洞化してしまった家族」の渦中にいる。
親友の回りの人間は家族という形を守ることに必死。どうやら、登場人物である親友が亡くなるぐらいどうってことないのかもしれない。
幸せを手に入れるためには、第一歩を踏み出す思いきりと精神力と体力が必要だ。
彼女が本気で笑えるように助けなければいけない。
こんな、普通な形からは掛け離れたいびつな家族を持つ、私を認めてくれる数少ない親友だから。