なんとあいつが…

 
 結婚しやがった。




 こいつとは約二年前からの友人だ。
とても分かりやすい性格でまあまあ面白い。
弟の免許でずっと車を運転していた。無免許で。
(顔がそっくりなのでバレないと思っていたらしい。しかも、家族公認。アナーキーな家族である。)
今年で26才になった。
「アムス」と「チョコ」という名前の犬を飼っている。(最低だ笑)




 知り合ったきっかけは、ショーケース用の音源の編集だった。
メンバーのわがままな要望に彼もキレ気味だった。
(正直、そんなことよりも。私は、部屋の窓ガラスがビリビリ言うほど爆音を出しているのに何も言ってこない家族に驚いていた。)
 編集が始まって2時間後。
なんと、キレイな女性が無言で部屋に入ってきた。そしてそのままベッドに腰掛けた。
あまりにも突然なことで驚く私。
「はじめまして。」…ああ。ど、どうも!お邪魔してます!
 え?奥さんかしら???それにしても、美しい…



 と、思っていたら。
実家で同棲しているらしい。
しかも、当時はそのキレイな彼女さんが生活費を捻出していた。
…本当ご理解のあるご両親である。


 
 まあ。こんな二人が結婚するのは目に見えていたが。
ヒマを持て余しているのか、月1のペースで彼から「自慢」電話が掛かってくるのだが、一言もこの話題には触れていなかった。
だから、本当に驚いた。
冷静を装うこともできずに、一人暮らしの部屋で絶叫してしまった。



 「お前に自慢したろうと思ってな。おっちゃん、結婚しました。」
彼女さん…いや、奥さんが後ろで笑っている。
「Yサン、正月こっち帰ってこいや。あ。でも、どうせ彼氏とカウントダウンイベとか行くか。ベタ惚れやもんな。」
…暗に、ご祝儀を要求しないでください。



 とにかく。
ご結婚おめでとうございます。
デザインの仕事これからも頑張ってください。
末永くお幸せに。